何がしたかった?
幼い頃の自分は、超成績優秀児だった。
当時の仲間たち、現在こちらの知りうる限りでは全て、男女を問わず各界で夢を叶えて頑張っている。今そうした名前のいくつかを出すと、その世界ではああ、と頷かれるかたもおられるだろう。
私だけが、こうなのである。
一般論を言えば、もちろん不甲斐ない。落ちこぼれた、途中で挫折した、その通り。特に若い頃は何故自分だけ、と不運も重なるように感じ、焦った。
ただ、不思議なのか、誰でもそうなのか、私は日本人なら誰でもご存じであろう事件や事故のその後に、いくつか出会ってきた。そして常に、行き着くところは、家族てなに?という、簡単そうでわからないテーマ、ひとつにいつもつながっていた。
その割には震災後、私にありのままの家族は居なくなった。あれから何十年かもがいてきて、思うこと。
自分に手が届く範囲の人に、にっこりしてもらう。
以前から道を尋ねられるのは日常茶飯事。これは私の見かけがもっさりで害が無さそうだからだ、と自分を決めてかかっていたが、先日、目の不自由な方に走り寄られて長く道をご一緒することになって、ハッとした。
結局、自分の横で人が微笑むのが、私の幸せに近づく一歩めなのでは?と。私が一番気付いていなかっただけで。
でも人間不信だしなあ、人見知りで寂しがりだしなあ。自分だけで考えたいことは山ほどあるし。
まだ迷いは続く。